【DAY109】サハラ砂漠の麓街 メルズーガに到着!灼熱砂漠の中心で見た星空

フェズから夜行バスに乗って11時間。モロッコに来た最大の目的、サハラ砂漠が広がる小さな街メルズーガへ早朝に到着。バスに乗ってる間雷雨になってどうなるかと思った。

※メルズーガへの行き方や注意点などはコチラ

日記(2022/9/13)

サハラ砂漠ど真ん中宿に向かう

到着予定から一時間も早く到着したもんだから、まだ真っ暗でどこも開いていない街に放り出された。

電波が不安定で宿主のお迎え連絡も出来ず、着々と無くなっていく電池に焦りながら呆然と立ち尽くすこと一時間。バスの待合室がやっと開いたので中に入ることに。

モロッコの長距離バスはWi-Fiも電源もない。ヨーロッパでずっとお世話になってたFlix Busはもちろん両方あったのに、値段はモロッコの方が微高い~~!

待合室には電源もWi-Fiもあって精神安定を取り戻す。ただ一向に宿主と連絡が取れず何度も電話をかけると

宿主

朝の6時かいな!夜やと思ってたわ!今から行くわ

とまさかの回答。「普通6時は朝で18時が夕方やろ」っていう、こういう潜在的な常識みたいなものが覆されるからストレス面白い。

迎えに来たのは百戦錬磨と言わんばかりのボッコボコの4WD。

お気持ちばかり補装された道を超え、これも一種のアクティビティと言えるほどの大揺れをしながら、砂の道なき道を走っていくこと20分。

見渡す限り砂漠が広がる中に、ぽつんとテントが並ぶ本日の宿に到着。雰囲気良さげ。

これほぼ遭難よな。ここにいるモロッコ人に逃げられたら帰られへんな。

案内された一つのテントの中に入ると、ダブルベッドとシングルベッドが一つあって、一部屋あたりの金額になってるそう。雰囲気醸し出しててよりテンションが上がる!

冬に強そうな熱を籠らせる感じの造りで若干の不穏さを感じつつも、今日のスケジュールは砂漠のど真ん中キャンプファイヤーと星空を眺めることだけのつもりだったので、早速お昼寝することに。

灼熱!精神と時の部屋

モロッコは10月~気温も下がり、冬特有の砂嵐もなくベストシーズン。

そのことは知っていたものの、旅のスケジュール上遅らせても今回の9月中旬が限界やった。「もう真夏は過ぎてるし、、」「ベストシーズンまで誤差やろ」と正直なめていたところもある。

人間が何をしたら体温が上がるのか手に取るように分かる暑さ。

暑すぎて全く動けない。涼しい場所がどこにも無く、こんなに広いのに逃げられない狭い部屋に閉じ込められた気分で閉所恐怖症になりそう。

ちょっとでも動くと終わる

楽しみにしていたキャンプファイヤーと星空観賞ができる夜までの時間が長すぎる。電波が不安定で満足にiPhoneをいじることも出来ず、精神と時の部屋にいる感覚。

まじで嫌。なんやねんこの気温。もう出よ。無理。でも夜はここにいたいよ~~~なんで暑いの~~~

とお得意の情緒不安定さを炸裂させ、ブチギレ&落ち込みを繰り返してました。

こういう時黙ってうなずいてる旦那最高。変に機嫌取ってこようとしたり、逆ギレしないの最高。(ごめんなさい)

当初の予定ではメルズーガ滞在中すべてをこのテントで過ごすつもりだったものの、明日も同じ思いをするのは絶対に無理。でも夜はここで過ごしたい。

自分との折衷案で明日以降に宿泊する冷房付ホテルを急遽探し、今日は一泊して明日の朝に移動することに変更。返金不可やったけどええんや。

テントには宿泊客は他にいるはずなものの、ここにいるのは私たちしかおらず皆アクティビティに励んでる模様。

信じられん。まだ涼しかった朝に私らが到着したとき、ラクダツアーに出かけたヨーロッパ人は無事に生きてるんやろうか。

ベルベル人ボードゲームで白熱バトル

その様子を見たスタッフのベルベル人(23)が近づいてきて

ヤングベルベル人

アクティビティは何もしないのかい?暇つぶしにボードゲームを教えてやるよ

ずっと気にはなっていた机の上の模様と、白と黒の石を使ったボードゲームを教えてくれた。

ルール

⓪9×9で白と黒の石を並べる。手前4列は自分の石のみ、真ん中一列は右と左にそれぞれ4つずつ並べてど真ん中を空欄として開始
①原則、線に沿って相手に向かって前か斜め前の1マスしか動けない
②1マス先に相手の石があり、その石の1つ向こうが空白であれば飛び越えてそこへ動かせる。
③飛び越えた相手の石は取って手元に奪える(再利用不可)
④②が可能な場合に限り、後ろ・横移動ができる
⑤相手の一番手前の線に到着した自分の石は、一直線であれば飛車・角のようにどこにでも動ける(ただし②のルールが適応されるため、連続した相手の石を2つ以上飛び越すことは不可)
⑥②の動かした先で、さらに飛び越えられる相手の石があった場合は連続で動かせる
⑦先に石が無くなった方が負け

簡単に集められる石と線さえ書けばどこでも出来るから、砂漠で今の私たちみたいにやることが無くなったベルベル人が考え出すのには納得のゲーム。

オセロより複雑で、個別に役割のある将棋より簡単なルール。攻めすぎても守りすぎすぎても負けてしまう。意外と奥深く楽しい。

最初はベルベル人VS旦那氏。教えてもらってる身やのにお得意の頭脳戦に本気を出し、23歳の男の子相手に完勝。

27歳男性

お、おで大卒やぞ、、!負けるわけないやろがい!

その後無事私に負けてました。

ちなみに「暑くないの?」とベルベル人に聞くと「あ、そういえば確かにね~まあまあかな~」とのこと。

豆知識

北アフリカの先住民族をベルベル人と呼びます。意味は「訳の分からない言葉をしゃべるヤツ」というローマ人による蔑称。「モロッコ人やんな?」って聞くと「いや、ベルベル人だよ」と答えられたので興味深い。

サンドボードを片手に砂漠満喫

ゲームが案外面白く、無事精神と時の部屋を脱出。気が付けば夕方になり、やっと動ける気温になってきて再度この環境に感動。

何この素敵なロケーション!!!最高!!!!

プロ旦那

一時はどうなるかと思ったけど、機嫌が直ってよかったね

サンドボードを片手に夕日が沈み始める砂漠に向かって二人で駆け出して、砂に沈む足を持ち上げながら、ちょっとした丘になっている所に上った。

180度に広がる砂漠を上から眺めると、地球全部が砂になっちゃったのかと錯覚するほど。

ただの砂なだけやのに何でこんなにも心奪われるんかと自分でも不思議な気持ちになるほどの絶景。ロマンチックが過ぎるんやけど、地球に二人しかいないんじゃないかと本気で思えてしまう。

こんな風景を旦那氏と一緒に見ることができてほんまに幸せ。

風が当たる場所にだけ、風が通った足跡みたいに砂が波打ってた。反対に風が当たらない場所は、私らが初めて踏んづけてしまったんじゃないかと思ってしまうほどまっさら。

暗くなってしまう前に、宿が貸してくれたサンドボードを使ってみることに。

付き合った時からコロナやったから、もちろんスノーボードも一緒に行ったことも無く「えりこって滑れる人?」という旦那からの謎の確認後、実験台で先に滑らされることに。

雪よりもスピードは遅いけどめっちゃ楽しい!

旦那は盛大にこけたり、登るのにも一苦労で砂まみれになりながらも大はしゃぎ。もう大満足。

砂漠に寝転がって見た一生忘れない星空

ダウンロードしていたネットフリックスで「SUITS」を見てダラダラしてると、晩御飯に呼ばれるも謎の待機時間。

不思議な味のお茶を飲んで待っていてもなかなか晩御飯が始まらず、理由を聞くと「別の客が戻ってこないから」との回答。自由。

上を見上げてみると噂通りの星空で、待ち時間の間砂漠に上って星を見に行くことに。

宿からちょっと離れると、ほんの1m先が坂なのか平坦なのかも分からないほどの暗闇。靴を脱いで慎重に砂漠を上ると、もう見上げなくても目線の先に星が見えてしまうほど。

肌寒い中、まだ熱を持っていてほんのり暖かい砂に寝転ぶ。

星屑って呼び始めた人は、きっとこんな景色を見てたんやろうなと想像できるような、嘘みたいな数の星が満天に広がってた。

普段は目に見えていないだけで、こんなにも多くの星が見えてるはずなんやな。

なあ、空を真っ二つに横断してるあの白いモヤがかった綺麗なのって、もしかして天の川、、!?

小さいころまで「天の川は伝説のお話」とすら思っていたほど、なじみが無かった。これが天の川ってやつかあ~、、って。人間って綺麗なものを見ても泣いてしまいそうになるんやな。

半球体の天井から長さの異なるいっぱいの紐で吊るされてるようで、地球に向かって落ちてしまうのを我慢してるかのような星を見ると、天動説が長く信じられていたのも馬鹿にできない。

明るい夕方までは、絶対に歩いては到着できないような距離の砂漠と地平線が見えて、地球って大きいんやなって思ったし

私が今見てる星達から見る地球も、さっきまでどの星を見てたか分からなくなるほどの星屑の一つと思うと、地球って小さいんやなって思った。

えっ!今の見た!?ちょっとすんません、って感じでデカい流れ星が長いこと横切ったよな!?

旦那

同じの見た!!!「三兆円ください」って願いそびれた!!

こちらも二人とも初めて見る流れ星。その割に旦那氏ロマン無さすぎてあきれる。時々発作で男子校育ちの弊害が出る。

写真には撮れなかったけど、この二人の時間は一生忘れないし、おばあちゃんになってもたまに思い出しては「いい人生やったな」って思うんやろな。※後日撮影成功

残念晩御飯

結婚当初バージンオリーブオイルで揚げ物をしていたほどの世間知らずを発揮してしまい(ただの調査不足)、30€の高級ディナーとなってしまった。

モロッコ風サラダというマカロニとピーマン系野菜の混ぜ合わせ、小さいタジン鍋、フルーツ。以上。これで二人で4,000円超えはもう詐欺。

ただここで食べたタジン鍋はチキンとレモンの初めて食べる種類のもので、少なかったけどそれがすっごく美味しい!(この後のレストランではレモンチキンタジンがあるか否かで入店を決めるほど)

キャンプファイヤーとベルベル音楽

ご飯の後は、テントの真ん中に置かれたキャンプファイヤーをみんなでかこみ、従業員の演奏を聞くというなんともチルイベント。

同日に宿泊していたスペイン人とフィリピン人のカップルも同席。

不思議なリズムの打楽器を聞きながら揺れる火をぼけーっと見ながらリラックスしてると、

ベルベル人

日本の国の歌を歌ってくれ!俺はそれに合わせて演奏する!

と、大ムチャ振り。

『こんな所で恥ずかしがってても仕方ないしな、、、旦那は置物と化してるから私が何とかしないと、、』とハナミズキを一人熱唱。

その後他のスペイン人とフィリピン人にも同じリクエストがあったものの、みんな恥ずかしがって歌わず。

ええ~~シャイなん日本人特有ちゃうやん!誰や外人はみんな陽気で表に立つのは厭わないって提唱しだしたやつ出てこい!!!ってなった。笑

おやすみなさい

ベルベル人キャンプの後、もう一度さっきの砂漠に上り、星を見ることにするもなんと月があって全然見えない。月ってこんなにも明るいものやったのかと驚くほど。

この旅を通して何度も何度も思ったことは「やりたいと思った時にすぐやる」

「チャンスの女神は前髪しかない」って言葉に対し、今までは「後ろから追いかけまわしたら何とでもなる」って考えるタイプやったんやけど、そうも行かないことが多いと知った。

「後で来た時に●●しよう」って後回しにして結局できなかったこともたくさんあったし、今回みたいに「今●●したい!やろう!」ってやった結果、振り返ればチャンスはこの時しかなかったことも多々あり。

今回はただ些細な「星を見る」っていうチャンスやったけど、人生における重大なチャンスも同じなんやろうなと思う。人生は短い。忘れない教訓にしたい。

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niko
'94年生まれの28歳。平成の諸葛孔明と言われるスキルで2年間片思いした会社の同期を旦那に昇格。金融会社5年目で脱サラし、新婚旅行を兼ねて世界一周旅行中。一家全員B型のサラブレッドとして生まれ、情緒が安定したことがない。