【DAY75】レオナルド・ダヴィンチ最高傑作「最後の晩餐」に対面 (イタリア/ミラノ)

フィレンツェからミラノに到着してすぐに「最後の晩餐」を見に行った一日。ミラノに来た理由はもうこれのみ。前回のミラノ旅行では予約必須なことを知らず見ることができなかったのでリベンジ大成功!

最後の晩餐について

美術は諸説まみれの世界なうえに私はなんなら経営学専攻でまったくの素人だよ!大好きな聖☆おにいさん(漫画)と独学で解説してるから本気にしないでね!ちなみに経営学もわからないよ!

最後の晩餐とは

本作は、イエスと彼の弟子たちによる聖書における「最後の晩餐」の場面を描写している。それは、ヨハネ福音書13章21節の中で告げられている。レオナルドは、イエスが弟子たちの1人が彼を裏切るであろうと言った時に、12使徒の間で起こった驚きを描いた。

MUSEY 「最後の晩餐」作品解説

イエスは自分を「神の子」であるとして布教を行ってたんやけど、それは神への冒涜だとかなんだとかでユダヤ教徒から反感を買ってしまい処刑が決定されます。

イエスの弟子の一人であるユダが、銀貨30枚と交換にユダヤ側へイエスを引き渡すという裏切を行います。この絵はその引き渡し(=イエス処刑)前日の晩餐中の場面。だから「最後の晩餐」と名付けられています。

・イエスは元々ユダヤ教徒やってんけど、選民思想に嫌気がさしてキリスト教を立ち上げたよ
・マリア様(イエス母)が神様の子供(イエス)を処女で身ごもったよ。

秘密の取引にもかかわらず、イエスが「この中に裏切者がいるの知ってるよ」と言うもんやからユダは焦るし、師匠が明日処刑されてしまうことを知った他の弟子も大パニック。

補足

「イエスを処刑するならユダヤ人を末代まで恨むぞ!」とキリスト教徒がユダヤ司祭に処刑を止めるよう言ったものの、構わず処刑が行われました。後にユダヤ人迫害の(こじつけの)理由の一つとしてあげられてしまいます。(一説です)

通常の絵画ではなく、教会の食堂裏の壁に直接描かれたため、美術館ではなく普通の教会の壁に存在してます。パスタの茹で湯気がむんむんな場所なうえに、ダヴィンチは早く絵を描くのを嫌ってて、時間がかからない”壁にベタ描き”をしたので損傷が激しく、20年以上の修復作業を経て現在の姿になっています。

【簡単解説】何がすごいの?

「最後の晩餐」は聖書の一場面を表しているので、様々な画家によって同じ場面が描かれていますが、ダヴィンチによって描かれたそれが一番有名。では何がすごいんやろうか?

今までと全く違う表現方法を採用したから

「最後の晩餐」の描き方には暗黙のルールがありました。

<従来の表現方法>

  1. 聖人たち(イエスとその弟子12人)を人間らしく描かない
  2. 頭の上に天使の輪っかを描く
  3. 裏切者ユダはイエス達と机を挟んで反対側に描く
  4. ヨハネは嘆き悲しみイエスに寄りかかっている
よく見る構図。でもこの絵輪っかないわw

ダヴィンチはこのルールを破ります!!!上の絵がよくある「最後の晩餐」の構図なんやけど、比較してみると一目瞭然。

<ダヴィンチの表現方法>

  1. ダヴィンチの絵の聖人達はそれぞれ顔の表情が豊かで、動画を切り取ったような描き方。人間味溢れる表現方法となっています。
  2. イエスの頭の上の輪っかを取り払っています。(従来の絵のサンプルも輪っかないねんけどw)その代わりに、イエスの後ろに描かれている窓の上の模様が半円となっており、代用として表現しています。
  1. 裏切者ユダを大胆にも同サイドに描いています。その代わり”右手に銀貨の入った袋を持っていること”と”左手がイエスと同じさらに手を伸ばしていること”で、こいつがユダであることを表現しています。

イエスは「私がパンを浸して与えるものがその裏切者だ」と言うんやけど、その直前の瞬間を切り取ってるから、ユダはイエスと同じ皿に手を伸ばしてるんよね!

  1. ヨハネをイエスから引き離して描いています。”直前まではイエスに寄りかかっていたけれど、隣のペトロに話しかけられたから”体を反対側に傾けたという瞬間をダヴィンチは描いています。ではなぜその場面にしたのか?(以下後述)

遠近法とシンメトリーな描き方に成功したから

ダヴィンチは上記③④の表現方法を採用することにより、遠近法・シンメトリーな構図に成功しています。従来の「暗黙のルール」な描き方では、ユダが手前にいたり、ヨハネが寄りかかってしまうとアシンメトリーになってしまう。この大胆なルール破りと、完璧な遠近法で描いたことにより美しい構図となりました。これは当時の人たちにとっては衝撃的なもので一躍有名となったのです。

他にもいろーんな説があったり、含蓄に富んだ絵なのでめっちゃ面白い!興味があったら調べてみてね

場所、閲覧方法について

「最後の晩餐(Last supper)」のある場所

イタリア・ミラノの中心街から少し離れたサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にあります。私らはドゥオモから歩いて30分ほどかけて行きました。

外観は本当に普通の教会。ここにダヴィンチが確かにいて絵を描いていたかと思うと胸熱。

開館時間、休館日

<開館時間>
火曜~土曜:8:15~19:00(最終入場18:45)
日曜:14:00~19:00(最終入場18:45)

<休館日>
・月曜日
・1月1日と12月25日

※2022年8月情報(公式HPより)

鑑賞方法は?

「最後の晩餐」のある場所には自由に出入りができません。15分ずつロットが決まっていて、1ロットの人数も制限されています。なので原則予約必須です!!(キャンセル等があれば早朝に当日券が手に入らないことも無いそうです)

3か月前から予約可能ですが、世界中から取り合いになるので早めにとることをお勧めします。私たちは1か月前に取ったらギリギリ一枠のみ余っていて、しかもイタリア語ツアーでした。

最後の晩餐がある部屋には予約のある人しか入れないけど、教会部分には無料で普通に入れます。

購入・予約方法、値段

公式サイトで事前予約

URLはこちら

<メリット>
・最安値(ガイド無:15€、有:23€/大人一人)で購入できる
※ガイド有無は時間帯によって決まっています

ガイド付ツアーの時間

イタリア語
火曜~土曜 10:30, 12:30, 16:00, 18:00
日曜 16:00, 18:00

英語
火曜~土曜 9:30, 11:30, 15:00, 17:00
日曜 15:00, 17:00


<デメリット>
・ツアー会社が買い占めるため空が少ない
・サイトの会員にならないといけないので面倒
・サイトの文がイタリア語と英語しかない

解説をしてくれるアプリがあるので、ツアーの言語は気にしなくていいです。なんせ悠長に説明聞いてたら見る時間が無い!(ガイドさんに失礼かもって思ってたけど、ガイドさん直々で「イタリア語分らんやろ?聞かんでええで!」って言われました)

ツアー会社で事前予約

URLは日本語でもググればたくさん出てくるよ。「last supper ticket」とかって英語で調べた方が豊富。例えば「GetYourGide」とかは大手。

<メリット>
・公式サイトで売切れていても、ツアー会社のサイトでは残席があったりする
・他のミラノ観光とセットになってたりする
・予約がちょい楽かも?

<デメリット>
・高い

当日券チャレンジ(当日朝に運試し)

キャンセル枠があった場合、開館前にチケット売場に並ぶと購入できる場合もあるそう。私たちが行った15時半の時点では売切れでした。

解説用アプリ

通常のガイド付ツアーはイタリア語と英語のみで行われていますが、アプリだと8言語対応で解説をしてくれます。(※日本語はありません)

アプリ上で予習するか、見終わった後にのんびり復習するといいかも。

Cenacolo Vinciano Official App
Cenacolo Vinciano Official App
開発元:ETT S.p.A.
無料
posted withアプリーチ

<対応言語>
イタリア語・英語・フランス語・スペイン語・韓国語・中国語・ロシア語・ポルトガル語

※教会周辺には有効なwi-fiが無かったので事前にダウンロードすることをおすすめします

その他注意点等

無料ロッカーについて

チケット売場(教会目の前)にはロッカーがありますが、ロッカーに入らないような大きい荷物は預け不可とのことでした。食べ物が入っているカバンは持って入れないので預け必須です。サイズはよくあるコインロッカーの小さいやつ!一般的なリュックとショルダーバッグくらいは入ったよ!

大きい荷物がある場合

ロッカーに入らなさそうな荷物がある人は、アプリで周辺のロッカーを探してみてね!普通のお店が荷物預かりを代行してくれていたり案外簡単に見つかります。

Nannybag
Nannybag
開発元:Nannybag
無料
posted withアプリーチ

チケット交換について

事前予約した方は予約時間の30分前に、教会目の前のチケット売場に行かないといけません。交換後は5分前に教会前に集合するようにとのこと。パスポート提示等の本人確認はありませんでした。

日記

バタバタの到着まで

一か月以上前、ロンドンでチケットの予約をしようとしたら8月12日の16時~しか空きがなくて、しかもイタリア語説明の枠。この際そんなこと気にしてられない。見れるだけ最高や、ということで予約争奪戦に勝利してからこの日を楽しみにしてた。

ただ問題があって、フィレンツェからミラノ中央駅に到着する予定時間は14:16(キャンセル不可切符買っちゃってた)。入場の30分前には教会で手続きをしないといけないので、何も問題なくスムーズにいけばギリギリ間に合うスケジュール。大荷物は持っていけないと事前確認を終え、ロッカーの場所を調べてルートをシミュレーションしながら完璧に計画。

無事定刻でミラノ中央駅に到着!あとは地下鉄に乗って荷物を置いて向かうだけ、、と思って地下鉄行ったら改札が封鎖されてた。理由は今も分かってないけどよくあるんよね、、

もう私はパニック。「前回ミラノに来た時も見れなかったのに今回も見れなかったらどうしよ!?!?」「神様にお前はまだ早いって言われてるんかな!?」って教会行き過ぎて敬虔なキリスト教みたいな考え方すらしてしまった。

急遽あんなにシミュレーションしてたルートを大幅変更し、トラムに乗ることに。これヨーロッパあるあるなんやけど乗り場に切符が売ってない、、、!無賃乗車したら罰金とられるし、でもこれに乗らなかったら最後の晩餐に会えない。そんな葛藤のなかクレジットカードのコンタクトレスが使える可能性に賭けて勢いよく乗車!使えない!(運転手さんに交渉して後で切符を購入することで難を逃れた、、)

無事到着した荷物預け所は「nannybag」というアプリで探したマリファナ屋さん。一つ6€ほどで預け完了。

15:25とぎりぎりに到着して見えた教会にホッとしてすでに感動。

こんな何の変哲もない教会にあると思えないね

無事チケット引き換えを行うと「5分前に教会前に来てね」と言われたので、やっと心穏やかになりスーパーでコーラ購入。もともとお酒以外の炭酸が飲めないんやけど、ヨーロッパ来てからコーラのおいしさに目覚めたわ。こっち、冷えた飲み物がビールかコーラかスプライトしかないのどういうこと?

いざ対面

こんなに焦らされてやっと手前の扉まで着いたもんやから謎に二人で大緊張。しかも鑑賞時間はたったの15分。「最初の5分で写真撮って、残りの10分でじっくり見よう!」とタイムスケジュールまで組む本気度。扉の前で待つ緊張は結婚式以来。

中に入ると薄暗い部屋に、壁一面にあの「最後の晩餐」が。

入口は絵の向かって右下にある

小学生の頃、ママがレンジの上に隠してキッチンでこそこそ読んでた「ダヴィンチコード」に興味を持ち、盗み見して存在を知ってから早18年。(当然内容は全く分かってない)ついに本物に会えたってだけでもうなぜか涙出そうになる始末。

目の前で13人がそれぞれ今にも動き出しそう、っていうかさっきまで動いてたけど私が部屋に入った瞬間に止まったんやと思わされる。あんなに高揚してた気持ちがすっと落ち着いて、絵の中に引き込まれてしまった。引き込まれるのにその机で偉そうに肩を並べれてる気分には一切ならない不思議な感覚。

イエスは安らかな顔で仲間の裏切りをしれっと告白したんかと思ってたけど、実際見てみると、困った顔で落ち込んでるように見えた。

私はガチガチの無宗教人間で、イエスは存在しないと思ってるし、都市伝説上の話やろって思ってるレベルに信仰心からかけ離れた人間やってんけど、「あ、これはほんまにおったんやわ。ほんまに神様からの預言で自分の死を知って、三日後に復活したんやわ」ってなってしまった。

「近くで細部まで見てやるぞ!」って意気込んでたのに気が付けばイエスに目が行ってしまう。これはダヴィンチが仕掛けた構図のせいなんやろうけど、信仰心が爆誕してしまったかと錯覚してしまう。

長い月日が経ったうえに、宗教が異なる遠い日本で、当時小学生の私にも存在を知らせるそんな絵画界の革命とも言われる「最後の晩餐」を見れたこと、本当に来てよかった。何より旦那さんと一緒に感動を共有しながら見れたことが幸せやった。

部屋の中には端に椅子があって、座ってゆっくり鑑賞もできるよ。
最前線で細部を見るのもいいけど、ちょっと下がって見ると絵が部屋の奥に続いて見えるようになってます。

退出後

15分きっかりで警備員さんに、はい出て行ってね~って言われます。「またいつか来ることあるんかな~」「もしかしたら最後かもな~」「あ~~さようなら、、、」って超後ろ髪引かれながら退出。

最後の晩餐がある部屋を出た後は、解説や修復の歴史を書いた小さな博物館みたいになってます。

WW2の際、この辺りもひどく襲撃を受けたそうなんやけど、「最後の晩餐」は奇跡的に戦火を逃れたとのこと。ただ損傷が激しくて、女性修復氏の方が22年もの長い長い月日をかけて復元してくれたから今一般公開ができているとのこと。途方も無かったやろうなあ。頭が上がらない。

たった15分やったけど感情がジェットコースターすぎて二人ともくたくた。ツアーが終了してほぼ放心状態でお土産屋さんでポストカードを買った。イタリアだけの旅行なら色々買ったやろなあ。

ツアー後は最後の晩餐の部屋以外の教会を鑑賞したけど会話ほぼなし。ボケーって感じ。ちなみに何の変哲もない(失礼)教会でした。

夏のヨーロッパは陽が長くて、教会を後にしてからも他の観光ができるほどの時間はあったものの頭はショート状態。もうこの後に何見ても頭はいらへん。なのでそそくさとホテルに帰宅することに。

この後、過去最大 旦那単独帰国レベルの大喧嘩をするとも知らずに、、、、、、

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ABOUT US
niko
'94年生まれの28歳。平成の諸葛孔明と言われるスキルで2年間片思いした会社の同期を旦那に昇格。金融会社5年目で脱サラし、新婚旅行を兼ねて世界一周旅行中。一家全員B型のサラブレッドとして生まれ、情緒が安定したことがない。